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お題「無邪気な笑顔が僕には眩しすぎて」

2010-03-20 | 00:22

お題「無邪気な笑顔が僕には眩しすぎて」
 太陽も届かなくて。声も届かなくて。何も届かなくて。思うこともなくて。思えることもなくて。
 ただ、ただ、ただ。繰り返す。
 闇よりも濃い黒を孕んだ人の心が生み出した場所で、僕は毎日地べたで泥をすするように生きる。鉄の塊を持たされて、許されるのはそれを壁へと叩きつけて、意味もない道を創るだけ。そこから先に光がある訳でもなく、ゴールが見つかる訳でもない。
 時折出てくる、ほんの小さな、小指ほどの石を、集めなくてはいけなかった。
 心臓よりも小さいはずのその石は、僕の体全部より価値がある。だから、僕はここにいて、僕よりも価値がある尊い物を探さなければいけない。
 朝はない。昼もない。夜はある。夜は寝る時間だ。きっと一時間くらい。下手をすれば三十分。息をして落ち着く暇がある程度。きっと、その程度。僕が過剰に見ているんじゃない。この場所が、過剰で、人を人と思わずに、それこそ物として見る。
 時は石より価値がある。でも、命は時より価値がない。だから、命と時を天秤にかけると、あっさりと時へと傾く。
 つまり、僕は無価値そのもの。いるだけという存在。もし欠けてしまえば、補充をする。パズルが欠ければ新しいピースを買うということ。替えがあるという酷な現実に、抗う術などない。最初から、微塵にも、与えられていない。
 どうすれば、ここから出られるのだろうか。それこそ、本当に文字通りの地獄から。
 光は揺らめく炎だけ。そんな場所に長く居続けて、僕はいつのまにか、そんなことを考えるのを止めた。望みはない。なんせ、捨てられたのだから。
 心は病んで、考えるのを止めた。辛いということからの現実逃避にも見える。でも、それ以上に、現実逃避するなんて思考すら、浮かんでいない。
 父の顔はどんなのだったのか、母の顔はどんなのだったのか、気がつけば、僕の顔すらも忘れている。
 早く終わりが来ればいいのに。それすらも、今では思わない。今はただ、機械のように、電池が切れるまでプログラム通りに動くだけ。
 数瞬の眠りは、牢獄で取る。その時間帯だけは、座ることと寝転ぶことが許される。せめても慈悲なのか、地面にではなく、木の床で休むことが出来る。
 牢獄の反対側では、看守が飯を食べる。パンにハムに林檎。僕の飯は、水、空気。絶対的な差に、文句は許されない。餓死など、日常茶飯事のことだ。昨日も僕と同い年の子が倒れて死んだ。今日には僕よりも幼い子が来た。
 早く助けに来てくれないかなぁ。幼い子は言う。
 僕は苦笑する。無理だよ。
 来るよ、すぐに。幼い子は訴える。
 なんで来るのさ。冷笑が浮かぶ。
「僕はここを壊しに来たから」
 刹那、爆音。揺らぐ大地。騒ぐ看守。驚く物。零れていく石。流れを変わった時。
「さぁ、ここから出よう。ノアの箱舟、今ここに到着」
 幼い子の笑顔は、何処か無邪気で、あまりにも眩しくて、太陽の光を忘れていた僕は目をあけて見れなかった。
 だから、目を閉じながら幼い子の手を掴ん
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Theme : お題
Genre : 小説・文学

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