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お題「血に濡れた手で刃をかざす」

2010-04-04 | 01:06

お題「血に濡れた手で刃をかざす」
 一人殺せば。
 二人殺しても。
 そうだ。
 いっぱい殺してしまえ。
 
 生きているのかも、死んでいるのかも、自分では判断できない。正確に言えば、生かされているのだろう。僕達は。
 つまりは複数存在する。カテゴリー分類は皆同じ。スイッチ一つで体は捻じ曲がり、作り物の内臓を曝け出し、擬似血液を撒き散らす。
 そこに痛みはない。そこに苦しみはない。快楽が存在する訳でもない。あるのは無だけ。それは、今こうやって思考する最中からのこと。いや、生まれて、実感して、理解した時からなのかもしれない。所詮は無の存在。思考プログラムだって、AIに過ぎない。0と1から導かれる答えに違いはない。つまりは僕達には、必要な物が存在しない。故に我あり、故に存在。無こそが、僕達の象徴だ。
 感じることが出来れば、どれだけよかったのだろう。痛みも分かり、苦しみを覚え、快楽を感じる。それは人間と同様ということに違いない。僕達が欲しい、感情は、僕達にはない。
 だから、命令されれば、仲間を殺す。
 ナイフで首を抉り、切り落とす。直後に、遠距離からのスナイパーライフルで頭部が消し飛ぶ。遥か彼方に打ち込まれたRPGで、体が燃える前に吹き飛ぶ。口の中に押し込まれた石弓が頭蓋骨を突きぬける。刀で胴体が真っ二つになれば、ミサイルで塵一つ残らない。
 人間の思考が、AIで表現できるなら、それはいいことなのか。悪いことなのか。判断基準のない僕達にそれは分からない。
 でも。
 誰かを殺してしまってから、それは、表現できない方がいい。
 つまりはプログラムの副産物。よっては、人間の、ひどく抽象的に言えば、心。
 だから。
 だからこそ。
 返り血を浴びながら。
 殺して。
 それでもナイフを握って。
 殺して。
 頬に伝う何かに気づかずに。
 殺されたい。
 そう。

  悲しみなんか、覚えてしまう前に。
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Theme : お題
Genre : 小説・文学

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