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お題「けれど、本当は…」

2010-08-14 | 01:40

33: けれど、本当は…


「なぁ、お前幼馴染なんだろ? 少しチャンスとか作れないのか?」
 事の発端は幼馴染がちょっと可愛いらしく、クラスの友人にその間柄がばれてしまったことからだった。
 幼馴染だから仲がいいとは限らない。面識がある程度だってこともありうる。
 実際彼女とは中学が違い、今年の春に高校に入学してから同じ高校に入ったと気づいたのだ。朝会えば挨拶をするし、帰る時間が偶然重なれば一緒に帰ることもある。かといって、休み時間の間に長々と喋ることもなければ、土日一緒に出かけるなんてことをしたこともない。テスト前に勉強を教えてもらうなんて情けないことはたまにしてしまうことがあるが、ほとんど会話した記憶がない。
「だったら、俺が一緒に帰って来る時にでも一緒にひっついてこいよ」
「それが出来たら苦労してねぇっての。お前馬鹿だろ?」
 馬鹿に馬鹿呼ばわりされてしまった。まぁ、学力的な意味では同類ではあるが。
「じゃあどうしろっていうんだよ」
「そこはさ、気前がよくて顔のいい男がいるから、お前彼氏とか欲しくない? みたいな台詞をだな」
「うぇ、嘘のオンパレードじゃねぇか」
 そんなどうでもいいやり取りが、委員会の暇つぶしに行われていた。
 委員会が終わってからの帰宅途中、後ろから何時も通りに声をかけられた。先ほど話しに出ていたその幼馴染だ。
「おーっす、今帰り? 一緒に帰ろーよ」
「何が、今帰り? だ。そこの本屋で人来るまで待ってた癖に……」
「ぬ、ばれたか。でもまぁ、こないだ同じことそっちがやったんだし、お相子お相子」
 土日でかけたことがない。けれど本当は、今週の土日に行く。でも、今回が初めてだから、嘘じゃない。
 ただの幼馴染。けれど本当は……言わずもがなである。
「へいへい、じゃ帰りますか」
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Theme : お題
Genre : 小説・文学

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